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行動療法とは?
OCDに対する行動療法が本格的に始まったのは、この10年以内のことです。以前から、軍隊に入ったり聖職についたOCD患者は、強制的な規律のもとでの生活により、強迫観念や強迫行為が減少するということが知られていました。この事実から研究が始まり、1996年、ある研究者により「強迫観念の不安を減らすために行う強迫行為を持続的に妨害することにより、強迫観念も減少する」という報告が行われ、本格的に治療法として行われるようになりました。

行動療法は、薬物療法と併用することで、より治療効果が上がります。薬物療法と同様、根気よく続けることが必要です。
行動療法を受けるには
薬物療法は全国どこでも受けられますが、行動療法を受けるには、OCDの病理を熟知した治療者(医師)がいることが前提になります。まだ新しい治療法なので、熟練した治療者は少ないのが現状です。場合によっては近隣の主治医に相談して、紹介を受けましょう。
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また、行動療法の治療中は、家庭でも指示されたことを守る必要があるので、同居する家族の理解や協力も必要になります。
行動療法の実際 ―曝露反応妨害法―
行動療法は、曝露と反応妨害の2つのプロセスから成り立っています。
曝露=これまで恐れたり避けていた状況に、あえて自分をさらすこと。
例)汚染されたと感じるものにあえて触る

反応妨害=これまで不安や不快感を消すために行ってきた強迫行為をできるだけしないこと。
例)手洗いをしないままで次の行為に移る。または、手洗いの回数を3回まで、などと制限する
この治療法の根拠になっているのは、「人間の不安は習慣化する」という心理学の考え方です。人間は持続的に不安にさらされると、感覚の疲労から慣れが生じ、不安をあまり強く感じなくなります。
強迫行為の原因となる「不安」が、どのように強迫行為と関係しているかをみてみましょう。

図のように、強迫観念による不安は、強迫行為を行うことによって一時的には下がっても、なくなることはありません。このことが、強迫行為の繰り返しを生むのです。
曝露反応妨害法を行うと、最初の段階では、患者は強い不安を覚えます。しかし、この状態をしばらく続けると、必ず不安は下がっていきます。
この結果OCD患者は、恐れていたものに直面して不安になっても、その不安は自然になくなるものだと実感します。強迫行為をしなくても不安がなくなることが実感できれば、強迫行為をする価値はないとわかり、だんだんしなくなる方向に向かいます。
曝露妨害反応法は、必ず熟練した専門家のコントロールのもとで行うことが大切です。なぜなら、最初の段階で強い不安を覚えたときに強迫行為を行ってしまうと逆効果となり、症状を悪化させる場合もあるからです。治療者にもよりますが、通常は恐れの程度の少ないものから始めて、次第に強い恐れの対象に長時間曝露させるようなプロセスを経ることが多いようです。
◆図1.2-飯倉康郎・著『強迫性障害の治療ガイド』(ニ瓶社)より
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